キヤノンは昔から明るいレンズにひときわ情熱を燃やすメーカーだったようでこのような現在でも通用する大口径望遠レンズを40年以上も昔に手がけています。現在のEOS用も含めて歴代キヤノン100ミリレンズ中では未だに最も明るいレンズです。
こんなに明るいレンズでピントが合うのかと心配なさる方。まさにご指摘の通りでして絞り開放でピントを合わせるのは至難の技です。色再現は100ミリF3.5よりよいので100ミリはこちらの出番の方が多いのですがファインダー倍率が低いコニカヘキサーRFではF4まで絞らないとまずピントが合いません。キヤノンIVSbとかVILといった倍率可変レンジファインダーを持つ機種でなければ心もとなくてとても絞りを開けられない困ったレンズです。レンジファインダー時代末期のレンズの高性能化にカメラの方式が対応できなくなった時代の象徴的なレンズと言えます。
キヤノンもそれはわかっていたようでこのレンズは光学系とヘリコイドが外れるようになっており、キヤノン一眼レフ用のフォーカシングアダプターを使うことでキヤノンF1などの一眼レフに装着できます。これでピントの心配は無用。でも自動絞りに連動しないのでこれまた使いにくそうだ。
やっぱりレンジファインダーは広角専用に使った方があずましい(北海道弁:好ましい)んでないかい?。
(←構成図)
5群6枚ガウスタイプ
画角:24度
最小絞りF22
最短撮影距離:1m
フィルター:58mm
重さ:485g
発売:1959年
(↑→作例)「タンチョウの雛」
コニカヘキサーRF、キヤノン100ミリF2
F2開放、自動露出、コニカクローム森羅100
↑一眼レフ用アダプター
「世界のライカレンズ2」
(写真工業出版社刊)