ACT−5 DPEあれこれ
 

 ↑ミノックス純正現像タンク ↑LPLの35ミリ現像タンクとISEミノックスリール
 ↑ミノックス純正リール

 気になる現像ですがさすがに1時間プリントのミニラボに持っていくのは店員のお姉さんがかわいそうですね。フジカラー系列の現像所ならばどこでも引き受けてもらえますが量販店に持っていった方がよいでしょう。同時プリントは1枚30円で2〜3日程度で仕上がります。リバーサルの場合は事前にフィルムの種類(E−6プロセス)を申告しましょう。なお、前ページでも注意書きしておりますがコダクローム(K−14プロセス)はミノックス判に切断すると現像してもらえません。
 問題はモノクロ。こればっかりは自分で現像しなければなりません。
 現像タンクはミノックス社から明室現像タンクが販売されており、これを使うのが無難。でも、惜しまれながら2003年の2月に生産停止の発表がなされました。代替製品としてプラスチック製の現像リールが発売されておりますが日本国内で販売しているという情報がまだ聞こえません。ミノックス本社の公式ホームページで通信販売を受け付けているので個人輸入で入手は可能ですが、英文のメール打つのがめんどくさい。うーん、ノックスフォトサービスさんでもレモン社さんでも浅沼商会さんでもどこでもいいです。ミノックス純正現像リール輸入販売してください。
 筆者はもっぱらISEのミノックスフィルムリールを愛用しています。こちらは暗室かダークバックが必要で巻き込みにもコツがいるのですが2本同時に現像出来るので横着な私向き。それにタンクをひっくり返しても液がこぼれないので現像ムラのリスクも減ります。でもこれも絶版(笑)。
 現像液はかつてはミノックス社から専用微粒子現像液が発売されておりましたが、これも現在では絶版です。


左がガラス製アンプルに入った初期の現像液キット。右は塩化ビニルの容器に入った後期のキット
あまりに立派過ぎて使うのがはばかられます(苦笑)。


 私はミクロファインの1:3希釈で20℃が定番です。ミノックスのモノクロ現像は35ミリ判以上に凝れば凝る程深みにハマってキリがありませんのでここでは詳しくは書きません。ミノックスクラブでミノックスから全紙に伸ばしてしまうツワモノ方はPOTAやらロジナールやらテクニドールやら凝っているようですが、私の経験では安価で入手しやすいミクロファインで十分です。ただ、現像はネガ濃度を若干薄めに。もちろんスリキズとほこりには細心の注意を。
.....何て書いていると「本当にミクロファインで大丈夫なのか?」という突っ込みがメールで寄せられたので、もっと徹底的にモノクロ現像を極めたいという御仁のために日本ミノックスクラブ直伝のレシピをご紹介します。でも日本ミノックスクラブでも初心者には(ミクロファインと同等の現像特性を持つ)コダックマイクロドールXやT−MAXデベロッパーの三倍希釈現像を薦めているので決して我流ではありませんよ(断言)!。

H&W特許プロセス
=溶解順序=
@お湯(60度前後)         40cc
A無水亜硫酸ナトリウム     1.00g
Bハイドロキノン          0.16g
C炭酸ナトリウム一水塩     4.60g
Dフェニドン             1.10g
E溶解完了後、水         120cc
F無水亜硫酸ナトリウム     8.00g
G水                  132cc

これを空気と遮断できる適当なガラス製の保管容器
(注射液のアンプルが最適)に小分けに入れて保存。
ちなみに注射液のアンプルは4ccなので15倍に希釈するとちょうど
ミノックス現像タンクの容積60ccになる。
使用方法:上述のレシピを原液として使用時には15倍に希釈する。
現像タンク攪拌は最初、気泡をとるために軽くタップして、
あとはタンクを揺らさずに放置する。
POTAやテクニドールやミクロファイン同様、希釈した現像液は
保存が効かないので基本的に一回使用ごとに使い捨て。
=現像時間=
20℃で10〜12分で、攪拌しないこと。
一回に使用する定着液は60ccと微量なので定着液も新鮮な未使用
液を一回毎に使い捨てにするのが理想。
なお、定着時間が長すぎると銀粒子が溶けて先鋭度が低下するので
定着時間の超過は望ましくありません。メーカー指定の定着時間を
守りましょう。
=増感性能=
ミニコピーHR−IIでISO50
コダックテクニカルパン2415でISO100
パナトミックXでISO200       (斎藤正治氏のデータによる)


カッター付ミノックスルーペにネガを通した所 ミノックスエンラージャー

 現像が上がったネガのピントチェックにはミノックスフィルムルーペ(左)。これも現行商品。
 これも汎用のルーペとライトボックスで十分ですが、専用ルーペならばライトボックスが不要なので楽と言えば楽です。
 フィルムカッター付きの高級機と無しの普及機がありますが、ミノックス判を1コマずつ切断してマウントする
なんて考えにくいのでカッター無しで十分です。カッター無しの方がネガファイルに入ったままでも覗けて使いやすいですよ。
 右はミノックスの純正引伸機です。カメラはちいさくても引伸機は35ミリ用とさして変わらない大きさです。35ミリ用引伸機でも焼き増しできないことはありませんがなにぶんネガが極小なので50ミリレンズではヘッドを一番上まで上げてもキャビネ判くらいにしかなりません。ライカ用の35ミリレンズを装着しても四つ切りが精一杯。それ以上の超広角レンズ(28ミリなど)を装着するとネガとレンズの距離が遠すぎてピントが合わなくなってしまうのです。ですからこの純正引伸機は普通の35ミリ用引伸機に比べレンズとネガの距離が極めて短くなっています。でも引伸レンズがF5.6と暗いので露光時間が長くて焼いている間息を止めて待たねばなりません。残念ながらこちらの商品は絶版。ミノックスクラブのメンバーのみなさんはヤシカ(現京セラ)のアトロンエンラヘッドと呼ばれるミノックス判専用引伸レンズを使ったりペンタックスオート110用28ミリレンズに自作のイーゼルを組み付けたり苦労されているようです。ミノックスさん、再販してーな!。
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