いすとでっす試用速報!


このたび筆者はペンタックスの最新型デジタル一眼レフ*ist-Ds(以後いすとでっす)を発売日当日に入手いたしましたので、その試用速報をいたします。
動物写真家の田中光常氏のお言葉で「動物写真家のためにカメラが発達したようなものだ。動物写真が写せるカメラなら、何でも写せる」という名言がありますが、筆者は「名機の条件はタンチョウを撮影できる事。タンチョウが写せるカメラならば間違いなく名機だ」と信じています。(何たる極論)
購入した翌日にはさっそく釧路管内鶴居村と阿寒町にいすとでっすを持ち込んでタンチョウ撮影に打って出ましたのでご報告。
おそらく私が世界で最初に
いすとでっすでタンチョウを撮影した人間のハズです。
カメラの詳しいスペックはすでに雑誌等で報告されているのであくまでも使い勝手と撮影結果を中心に述べていきます。さっそくペンタックスが誇る巨根(でも生産停止決定!)ペンタックスFA250600ミリF5.6ED(IF)にいすとでっすを装着してタンチョウにレンズを向けます。

作例1)ペンタックス*ist-Ds、SMCペンタックスFA250600ミリF5.6ED(IF)
ピクチャーセレクト動体モード、WB太陽光、JPEG6Mで撮影後0.3圧縮
*月刊カメラマン2005年3月号月例の予選通過(本選ボツ!)作品です。
(↑わざわざ自分で恥をさらす奴....)
当初はレンズの迫力にボディが負けていると思ったのですが、意外や意外。見かけ以外は全然負けていません。フィルムカメラのMZ−3を上回るAFの合焦速度。上級機種の*ist-D(以後いすとで)と違ってAFのシングル、コンティニュアス設定が出来ないという指摘もありますが私が使う分には600ミリの超望遠でも飛行中のタンチョウを難なく追従できたのでこれでも十分だと思いました。そして多点測距がめまぐるしくファインダー上で測距ポイントを示すインポーズが移動して最適なピント位置をカメラが判断してくれます。露出も最初はシャッター速度優先AEを使用していたのですが、すぐにピクチャーセレクトの動体プログラムに任せっぱなしになってしまいました(と言うよりもこのカメラは動体モードにしないと動体予測AFが作動しないので、露出だけでなくピント精度の面でもピクチャーセレクトモードの積極的使用を奨めます)。プログラムでもカメラが自動的に1/500秒のシャッター速度をキープしてくれるのでマニュアル設定がほとんど不要なのです。まるでカメラのほうから「ご主人様の考えている事なんかお見通しよ!」と言われているようでした。これは完璧にカメラロボットです。
作例2)ペンタックス*ist-Ds、SMCペンタックスFA250600ミリF5.6ED(IF)
ピクチャーセレクト動体モード、WB太陽光、JPEG6Mで撮影後0.3圧縮
それにフィルム(?)感度も200という高感度が標準で最高3200まで上げられるのも動物写真にはありがたい。日の出前は400、日の出後は200で撮影しましたが、フィルムカメラでは感度別に複数のボディが必要だったのがデジタルになるとこの1台ですべてまかなってしまう。こりゃあラクだわ!プロが一度デジタルを使ったら止められなくなるという理由が分かると実感。画像素子がAPS−Cサイズなので600ミリが900ミリ相当の超望遠になるのも動物写真にはかえって好都合です。おかげでテレコンが不要でした。
デジタルでありながらこのサイズでこのお値段という事ばかり皆さん目が行っているようですが、カメラとしても相当良くできている製品です。

↑フィルムカメラのMZ−3より横幅が5ミリほど
小さい
↑モニター画面上でモノクロやソフトフォーカスの
効果が確認できる


←電源は使いきりのリチウムCR−V3が元箱に2個同梱
されているのでこれが標準。外部電源の類は一切ないという
割り切りのよさ。2個で2.000円という少々高価な電池ですが
私程度の日曜写真では余裕で一月半持ちますので安いです。
ランニングコストを削減するには単三のニッケル水素蓄電池の
使用がベスト。
一応アルカリマンガンも使用できるという触れ込みですが寿命
が短くあくまでも緊急用と考えるべきでしょう。
あと、、新製品のオキシライド乾電池ではカメラがまったく作動
しません。ご注意ください。
いすとでっすと同時発売(*ist-Dsレンズキットに同梱)のDA18-55mmF3.5-5.6アスフェリカルもなかなか侮れないタマです。
ズーム全域でマクロが働くのでブツ撮りだけでなく本格的な近接撮影にも十分役に立ちます。
18ミリ域をカバーするズームレンズを所有していないユーザーが新たにいすとでっすを購入されるのならレンズキットでの購入を強く勧めます。
↑カタログには無かったDA18−55ミリズームの
構成図。(日本カメラ2005年2月号より)
2群ズーム発展型の4群ズームのようです。


作例3)ペンタックス*ist-Ds、SMCペンタックスDA1855ミリF3.5-5.6AL
超望遠ばかりでなく付属の標準レンズの作例も載せちゃいます。
このクラスのズームレンズにボケ味とか「味わい」を要求するのはかわいそうですが、
解像力では開放から文句ありません(望遠側でF5.6のレンズが開放で使えないのでは困るが)
見ての通りの描写性能です。
ピクチャーセレクト動体モード、WB太陽光、JPEG6Mで撮影後0.3圧縮



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