キヤノン35ミリF2(Lマウント)

1962年発売のキヤノン最後のレンジファインダー用レンズです。設計者は有名な50ミリF0.95を設計した向井二郎氏。他に35ミリF1.5や35ミリF1.8も設計しており大口径レンズの大御所のような人だったようです。
 低価格で明るく、当時の一眼レフには35ミリF2がラインナップされていないこともあり大人気のレンズでした。このレンズにキヤノンPやキヤノン7の組み合わせは1960年代の写真学生の定番機材だったようです。
 このレンズは発売翌年にはレンズ設計を大幅に変更して再登場します。構成枚数は同じですが第3群の張り合わせ面の曲率をきつくして色収差の改善を図っています。外見では殆ど区別がつきませんが前期型が重量115g、後期型が120gとわずかに重くなっています。
 このレンズは個人的に思い入れがあります。筆者が15年前、最初に手に入れたLマウント交換レンズでした。この当時、ニコンSシリーズはだいぶ価格が高騰していましたが、まだまだキヤノンの価値は低くて、このレンズは確か8,000円だったと思います。今思えば楽園のような日々でした(笑)。
 ピントはまあまあですが発色はかなりにごりがあります。また背景の二線ボケはかなりすごいです。
 逆光にはめちゃくちゃ弱いのでフードは必ずつけましょう。

↑作例
キヤノンVIL、F4、1/1000秒、アグファカラーVISTA100

←構成図
4群7枚
変形ガウスタイプ
画角:64度
最小絞りF22
最短撮影距離1m
フィルター:40ミリ
重さ:110g(実測)
発売:1962年

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