筆者が所有する唯一のMマウントライカです。ライカM7が発売された後、中古価格が下がったときにやっと入手できました。
ライカM6は1984年の発売。ライカM5(1971年)以降10年間途絶えてきたTTL露出計をようやく内蔵しなおした機種です。なぜこれだけ長くライカはTTL露出計を内蔵しなかったのかというと前回のM5やライツミノルタCLが撮影レンズ直後に受光素子が飛び出す方式だったために収納時にレンズ後玉が飛び出すエルマー50ミリF2.8や同90ミリF4装着時に受光素子を壊してしまう危険があったからです。また、タイムラグの短さが身上のレンジファインダーカメラなのにレリーズ直前に受光素子を引き込まなければならないギミックを内蔵せねばならずライツ社もこの方式を見限っていたことが伺えます。でも露出はマニュアルのみで期待していた自動露出は2002年発売のM7まで持ち越されました。待たせすぎだって。
ライカM6は業務提携していたミノルタのCLEが採用していたTTLダイレクト測光を参考にシャッター幕から反射する光を測定する方式にしたことで受光素子の破損の心配がなくなりました。
M6はその後数多くの限定モデルを連発することで寿命を延ばし、歴代ライカでは最長寿の18年選手としてロングセラーとなりました。後のM6TTLは専用ストロボの自動調光が追加され、2003年発売のMPに引き継がれています。でもクランク式の巻き戻しをわざわざ使いにくいノブ式に戻してどうするのでしょうか。
筆者所有のM6はファインダー倍率0.72倍の標準モデル。ライカがエルンストライツ社から独立してソルムスに移転してからのロットなのでトップカバーになにも刻印のないのっぺらぼうなのが寂しいという人もいますが、私はシンプルでいいと思います。よく、M6はファインダー倍率が低いので望遠は使いにくいとうるさ型のM3フリークは攻撃しますがM3時代は50ミリが標準レンズだったのに対して現在のレンジファインダーは35ミリが標準ですので運用のされかたを考えると妥当な数値でしょう。どうしても倍率が気に食わなければマグニファイヤーも用意されています。
「ライカは巻き上げの感触がいいよねー」とか言っている方々から見ると邪道ですが私はライカモーターMとセットで購入しました。なかなかかっこよいのですが、連動がメカニカルのみなのでレリーズはボディ側しかなく人差指が引きつりそうになります。おまけに連射するたびにレリーズボタンがピクピク脈打つので物凄く気持ち悪い。それでもコニカヘキサーRFよりは巻き上げが速いし、旧型のライカモーターよりははるかにマシでしょ。少なくとも時代錯誤なライカビットに2倍の金額を払うよりは絶対にお得です。